[J-POPのオススメ]「Just place of love」D-LOOP

J-POP

一瞬の輝きと、透き通った声の儚さ

 

今回も知名度なんて無視して、少しマニアックなアーティストの紹介。

avexの3人組グループ「D-LOOP」

 

avex好きなら知っていて当然ですが、世の中には知らない人が結構多いのではないかと思っております。

1997年頃に活躍していましたが、Wikipediaによると

活動期間     1997年 – 2010年

となっています。

 

そう、実は2010年まで活動休止していなかったのです。

ここら辺は悲しいお話が。

 

avex黄金期の非小室プロデュース組

1997年頃、それは急速に小室作品が勢いを無くし始めた頃です。

Wikipediaの「1997年の音楽」というページの年間TOP50という項目を見れば明らかですが

1997年の音楽 - Wikipedia

1位 安室奈美恵:「CAN YOU CELEBRATE?」

4位 globe:「FACE」

がありますが、他は色々なアーティストに散らばっています。

それまでのような、オリコンTOPを小室ファミリーが独占という時代ではなくなりつつあるのが見えてきたところです。

 

そう、avexの社史にも確か記載がありましたが、もうこの頃は小室哲哉氏とavexの関係がとことん悪化しており、avexは小室プロデュースではなくオリジナルのアーティスト達をどんどん売り出してプッシュする時代だったのです。

(小室哲哉氏はちょうど華原朋美と破局した頃です)

 

そんな量産期のavexが生み出しプロデュースした一押しグループの1つがD-LOOPだと私は思います。

なんてたって、事務所はヴィジョンファクトリーですしね。avexとの組み合わせは最高です!

 

とはいえ、女性ボーカル1人とか、作詞作曲プロデューサーがメンバーの一人、などELTと構成が似ているので、よく混同されたり、ELTに印象を持っていかれてしまってるようなイメージ。

まぁ、ジャンルとしてはELT系という表現がかなり合っているので仕方ないですが。

 

ELTの五十嵐さんは、avexの原点である町田のレコード店の店員(店長?)というつながりで、avexからELTとしてデビューという経緯だった気がします。

一方、D-LOOPの葉山拓亮氏はavexが発掘してきたような気はしますが、どんなつながりなのか気になるところです。

 

葉山拓亮プロデュースによる全曲が名曲

葉山拓亮は知念里奈やSpeed関連、w-indsなどライジング系もしくはヴィジョンファクトリー系のアーティストへの提供が多いです。

珍しいところでは関ジャニ∞関連もありますが。

 

どのアーティストへの提供曲も、素晴らしいJ-POPソングばかり。J-POPのど真ん中、と言えると思います。

そんな葉山氏が自ら参加していたD-LOOPですから、すべてが素晴らしい名曲。とはいえ、シングルとしては4曲しか出していませんが。

 

やはり個人的に代表曲だと思うのが、デビュー曲の「Just place of love」

これを初めて聞いた時は衝撃的でしたね。

たかの友梨のCMソングでTVでもがんがん流れてました。

  • サビの部分の高音がとっても綺麗なボーカル。いわゆるハイトーンボイス
  • ピアノ(シンセ)の音が綺麗に散りばめられているメロディーとバック
  • 心地の良いテンポと、曲の進行

もう一発でシビれました。

特に好きなのは、1番・2番ともに出だしのAメロ部分。

「コインを投げて占う人の」

「翼を広げはばたく鳥が」

歌の入りで一番大事な部分ですが、安定のある歌声。

そして歌詞もまた綺麗ですね。映像的というか、PVでそういうシーン撮りそうな感じがする、情景的な表現が好きです。

作詞は「飯塚麻純、葉山拓亮」と2名のクレジットになっていますが、葉山氏の作詞能力もなかなか高い!

 

また、2ndシングルの「Love me tender」がもしかしたら一番有名?という気がしますが、実はこれは葉山氏プロデュースではないという衝撃。

ロッテのチョコ「zero」のCMソングだったので、印象に残ってる人が多いと思います。

スローテンポとサビの高音の組み合わせが印象的です。

 

3rdシングルの「GLORY DAYS」は少し疾走感がある中で、これまた高音が活かされた曲。

 

と、一年以内に3曲立て続けにリリースし、どれもスマッシュヒット。

テレビの歌番組にもたまに出演していましたし、本当に順調だったと思えました。

 

が、そこで一旦活動休止。ボーカルのMINAMIの体調不良やギターの脱退などが理由のようです。

後で分かることですが、MINAMIの体調不良やその他各種諸事情があった模様。

 

しかし、世間から忘れ去られていた6年後の2004年、長い沈黙の後に突如復活。4thシングル「Destination」をリリース。

これは本当に驚きました。確かにavexの歌手は、ちゃんと解散宣言をせずになし崩し的に活動休止していき、芸能界を去っていく人たちが多いと思うのですが、D-LOOPは違ったのです。

みんなが忘れた頃に、本当に突然復活したのです。

 

ボーカルのMINAMIの声は変わらず綺麗な印象で、葉山氏の名曲も相変わらず。しかも復活話と共に、1stアルバム「grace mode」のリリースまで。

これは嬉しかったですね。喜んで予約した覚えがあります。

「D-LOOPの集大成」と言われるアルバムですが、良く出来た聴きごたえのある曲が詰め込まれていました。

 

活動初期は「輝かしい」という表現が似合う活躍に見えましたが、この復活してアルバムをリリースした頃は、華やかに見えました。

見事に華を飾れた、という感じです。

シングルだけで終わらずにアルバムが出せたことが、ちょうど良い締めになった形です。

 

そのイメージ通り、これがラストの卒業式のようになってしまい、これ以降話が続かず、再び長い沈黙が訪れるのでした。

これはもう完璧に活動終了と同じだと確信しましたね。

でも、最後にアルバムがリリースされたので納得というか、良い終わり方だと思っていました。

 

2010年1月7日、MINAMI逝去。35歳という若さ。

突然そのニュースは飛び込んできました。

D-LOOPのヴォーカルMINAMIさんが急逝、正式に13年間の活動に終止符。

終わったはずの、忘れていたD-LOOPという存在が再び取り上げられるとは。しかもこんな形で。

個人的にはニュースとして世間に取り上げられたことが逆に意外でもありましたが。

  • デビュー後に色々あり芸能界に疲れてしまった
  • 足の調子が悪く手術をした
  • そんなこともあり、たった1年で活動停止になってしまった
  • 事務所からの離脱やソロデビューの話もあったとか
  • そんな中、奇跡的にアルバムがリリースできた
  • その後は長野の実家に帰り、療養していた

様々な話や噂がありましたが、真相は不明です。

 

そして、4月にD-LOOPの活動終了宣言が出されたのでした。

こういう結果ではあるものの、きっちりとD-LOOPというプロジェクトの終了が宣言されたことは、D-LOOPの良さが美しいままいつまでも残るという意味があるものだと思いました。

 

4月の終わりには、軽井沢プリンスホテルで事務所や関係者を交えたお別れ会もあったようで、活動時期や活動量が少なかったけど存在感は大きかったのだな、と思いました。

(avexは軽井沢近辺に色々と関係もあるみたいなので集まりやすかったのかな?)

 

素晴らしい曲は永遠に生き続けます

葉山氏の名曲とボーカルMINAMIの歌声の素晴らしさ。

そして、そのD-LOOPというアーティストを生み出せるavexという会社の偉大さが、私の心に残っています。

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